私は初めてフィールドワークに行く際に本書を読みました。フィールドワークとは何か、どのようなことに気をつければいいのかなどについて述べてあり、入門書として最適なのではないかと感じました。私から見た本書の特徴は以下の3点です。①調査とは何なのかについての整理が行なわれている。本書は、ただ単にフィールドワークのやり方を描いているのではなく、他の調査方法(サーベイ調査など)と比較し、その特徴を描き出しています。そして、唯一の調査方法に頼るのではなく、必要な調査方法を組み合わせること(トライアンギュレーション)を薦めています。②フィールドワークの概要をつかむことができる。いわゆるHow to本ではありません。つまり、フィールドワーク前の段階として、概念化、仮説立証、サンプリング、調査における信頼性と妥当性、参与観察について、などフィールドワークを行なうにあたって重要となるであろう概念について、整理・説明をしています。③フィールドワークのハードウェアとソフトウェアの記述。どちらとも機能的には現在あるのか疑うほど古いものですが、そのハード・ソフトウェアに求める機能は、あまり変化していないと思います。したがって、この章を手がかりにして、自分なりにフィールドワークのハード・ソフトウェアをそろえることが出来ると思います。
ただ、実際にフィールドワークを本格的に行なう人のHow to本としては物足りない点があるかもしれません。
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フィールドワーク―書を持って街へ出よう (ワードマップ) 単行本 – 1992/9/21
佐藤 郁哉
(著)
新項目を追加した「増訂版」を2006年12月に刊行いたしました。お客さまにおかれましては、『フィールドワーク 増訂版』をご利用下さいますようお願いいたします。
- 本の長さ250ページ
- 言語日本語
- 出版社新曜社
- 発売日1992/9/21
- ISBN-104788504286
- ISBN-13978-4788504288
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商品の説明
出版社からのコメント
◆フィールドワークの入門書!◆
西欧的な思考法や研究法の解体とともに改めて注目をあびているフィール ドワーク。その論理とは? 暴走族の研究で知られるフィールドワーカーが,その基本的発想から方法・技法・情報整理のツールまで,すべてを語り尽くした大好評の入門書。
西欧的な思考法や研究法の解体とともに改めて注目をあびているフィール ドワーク。その論理とは? 暴走族の研究で知られるフィールドワーカーが,その基本的発想から方法・技法・情報整理のツールまで,すべてを語り尽くした大好評の入門書。
◆本文 一部◆
フィールドワークというのは、一面では、居心地よく暮らしている自文化の懐から飛び出し、あえて居心地の悪い調査地に飛び込むことによって、その地の文化を知ろうとする作業だといえます。しかし、フィールドワークには、もう一つ大切な面があります。異文化での生活を体験しそこで居心地の悪さを感じカルチャー・ショックを受けることによって、ふだんはなかなか見えてこない自文化の姿を、今までとは別の目で見ることができるようになるのです。そして、こういう繰り返しのなかで、あるときには居心地の悪さを感じさせる「文化」一般というものがそもそもどのようなものであるかを学ぶことができるかもしれません。
◆目 次◆
はじめに
Ⅰフィールドワークとは何か?
フィールドワーク・ルネッサンス/現場/野良仕事/カルチャー・ショック/民族誌/アンケート・サーベイ/聞き書き/ルポルタージュ/恥知らずの折衷主義
Ⅱフィールドワークの論理
理論の検証と理論の生成/概 念/仮説/分厚い記述/事例研究/サンプリング/信頼性と妥当性/トライアンギュレーション
Ⅲフィールドワークの実際
文献調査/参与観察/異人/インフォーマント/第三の視点/見える世界/インタビュー
登録情報
- 出版社 : 新曜社 (1992/9/21)
- 発売日 : 1992/9/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 250ページ
- ISBN-10 : 4788504286
- ISBN-13 : 978-4788504288
- Amazon 売れ筋ランキング: - 899,398位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,547位社会一般関連書籍
- - 16,918位社会学概論
- - 81,224位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年3月12日に日本でレビュー済み
フィールドワークに関する基本書であるが、今一つ何をしたらいいのか分かりにくい。むしろ、同じ著者が書いた
「組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門」
の方が分かりやすいし、役に立つだろう。
「組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門」
の方が分かりやすいし、役に立つだろう。
2005年3月7日に日本でレビュー済み
定量的データなんて当てにならないと思っている現場主義者こそ、この本から学ぶことが多いように思う。と言うのは、著者は定量的方法の持つ問題点に触れるだけでは無く、フィールドワークも同様にいい加減な研究になりやすい性質を持っていると言うことを指摘しているためだ。
ただ、具体的技法の解説と言う点では物足りなさを感じたので自らフィールドワークを行うために参考になる本がほしいと言う人よりは、一般的な読者がマスコミから出される社会調査などを見る目を鍛えるために読むと言うような場合のほうが満足度は高くなるだろう。
ただ、具体的技法の解説と言う点では物足りなさを感じたので自らフィールドワークを行うために参考になる本がほしいと言う人よりは、一般的な読者がマスコミから出される社会調査などを見る目を鍛えるために読むと言うような場合のほうが満足度は高くなるだろう。
2004年4月18日に日本でレビュー済み
フィールドワークはこんなことしますよ、という紹介の本です。質的研究法の方法論を学ぼうと思っている方、きっとこれじゃあ物足りないと思いますよ。
同著者の『フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる 』が実践指南の書としておすすめです。
質的研究法は、文化人類学、社会学、心理学、社会福祉、看護、数学(の教育)などなど多方面で用いられていますが、各分野で用いられ「がち」な手法がどれか、などを網羅的にまとめた本はないようです。ということはすなわち、各方面につき数冊の本を取り寄せるしかないということです。(質的研究のリソースを網羅したサイトはあるので、そちらを検索するのも良いかもしれません。)
同著者の『フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる 』が実践指南の書としておすすめです。
質的研究法は、文化人類学、社会学、心理学、社会福祉、看護、数学(の教育)などなど多方面で用いられていますが、各分野で用いられ「がち」な手法がどれか、などを網羅的にまとめた本はないようです。ということはすなわち、各方面につき数冊の本を取り寄せるしかないということです。(質的研究のリソースを網羅したサイトはあるので、そちらを検索するのも良いかもしれません。)